ジオラマ 2/17-④　　10 Pesos

離陸したメキシコ発、アトランタ行きの飛行機。結構空いてたんだ。
でも俺が座ってた列の席は全部埋まってた。
昼間に食ったアンブルゲサがどうも俺の腹の調子を悪くしだしてたから、
席が空いてるなら寝っころがりたいって思ってたんで、隣の席のアメリカ人（だと思う）に、
｢Can I move my sheet..?｣　っつったら、　｢Sure｣　っていう返事をもらった。
だから移動して、アトランタまでの５時間はほとんど席３つくらい使って、寝っころがってたな。
そうそう、今思い出したけど、俺の場合、リコンフォームってのは必要なかったみたいだ。
リコンフォームってのは、帰りの飛行機の座席予約で、旅先から、帰る日の予定便にはちゃんと乗りますっていう、
意思表示みたいな宣言をすることなんだ。
めんどくさいけど、やらないといけないことなんだなと、日本ではちょっと不安だったんだが、
結局その必要はなかった。こんなにガラガラになるくらいだからな。

んで、アトランタに到着。
俺は、忘れ物、落し物が無いか、足元と移動する前の座席をチェックしたら、
移動する前の座席に、１０ペソ硬貨が落ちてたんだ。

｢おいおい、１０ペソ落ちてるよ。
　ゲットだゲット。｣

なんてポッケにしまいこんで飛行機を降りたんだが、
あとから思ったが・・・どう考えてもこれは
誰かが置いたチップだｗ
だよなぁ・・表向きであんなに真っ直ぐ座席の真ん中にコインが落ちてる訳ねぇよなぁｗ
もうそれに気付いちゃって、アメリカの入国審査に向かう通路では笑いを一生懸命こらえてた。
｢１０ペソ落ちてるっ！！｣　じゃねぇよ・・ってｗ
まぁ結局チップの習慣てのは全く学習できてなかったって事っすわ。

そんな思い出の１０ペソ。
今じゃ俺のＺＩＰＰＯにブチ込まれてる。