ジオラマ 2/18-③　　ただいま、現実。

朝１０時に出発した帰国便。
窓の外には太陽がいつまでも見えていた。
日付変更線を越えることで、太陽は出たままなのに "次の日" という認識へと変わる不思議な空間。
そういえば、メキシコへ向かった日は同じ日の夜を２回体験したんだなぁ・・
日本が近づくにつれ　｢やっぱ帰ってきてよかったなぁ・・｣　なんて強く思うのかと思ったけど、
他の人よりそんな感覚は薄かったはずだ。
美化するつもりは無ぇけど、やっぱりメキシコと日本は "夢" と "現実" だ。
そんな感覚を象徴するかのように、到着した日本はとても寒く、雨が降っていた。

飛行機を降りてまず親に電話した。
｢おう、おかえり。｣
親父はこういう時、不自然な平静を装う。
きっとおかんよりも親父のほうが心配しただろうなぁ。堅い人だから。
軽い挨拶そうそうに、俺はバゲージクレームへ向かった。
３０分後くらいかな、でてきた荷物をカート（タダ）に乗せ、俺は審査ゲートへ向かった。
ふぇ～麻薬捜査犬だぁ～。ご苦労さんです。でも俺ぁやましい物持ってないよ。
まぁお土産の限度額は軽く越えてたかもしれんけど。

審査ゲートは口頭の対話だけですんなり通過だった。

とりあえず、喫煙所へ向かい、タバコを喫いながら、友人へメールして、
３０分くらい余韻に浸ると重い腰をあげた。
切符を買わねば・・・1450円・・・片道で100ペソ以上か・・なんてアホらしいんだ・・
しかも乗る電車間違えてすげぇ大周りして東京駅に出ちまった。
結局、蕨まで３時間近くかかったな・・複雑な路線でしかも運賃高すぎ・・コレが基本でよかったよ。
日本に来る外人が気の毒だ。

蕨駅からは迎えに来てくれた親父の車にのって家へ帰った。
家についてまず風呂入って、いつものように飯くって・・あぁ現実だなぁ・・って感じだったｗ
おにぎりとか食って涙流すんじゃないの？こういう時って・・
出発の日に最後に食ったのはシュークリームって・・ｗ
まぁ現実なんてそんなもんさ。

でも、一人旅。はまったかも。
メキシコへ旅立つ日は人生で一番ロックだったぜ。

ぶっとんだ現実はこの７本のビデオテープの中に。