2/13-④ ・・・闘牛・・ねぇ・・

劣等感の味がするコロナを飲みながら待つこと30分、とうとう闘牛が始まった。
沸き上がる歓声。俺もわくわくしてきた。

まずは赤い布を持った男４人くらいで、牛を煽るんだ。
なんつ～か・・それは勇ましいって感じじゃなくて
よく旅番組で芸能人が闘牛とかにチャレンジさせられてたりすんじゃん？（よく　ではないかな？）
あんな感じで、ちょろっと煽ると壁の後ろに隠れるんだ。
全然遠いんだよｗ　３ｍくらい近づくと隠れちゃうんだ。

んである程度、闘争心を煽ったら、
次は両手に　赤　白　赤　の先が尖った棒をもった男が現れ、
突っ込んできた牛を交わしてそれを突き刺していくんだ。（刺したらその棒は刺さったまま）
それを６本くらい刺すんだ。

そんでその男がハケるとまた赤い布をもった４人くらいで牛を煽り、
次に　馬にまたがって長い棒・・槍みたいなのをもった男が現れる。
馬の体には、なんつ～か・・警察犬の訓練に使われるあの防護布みたいのが巻かれてて、
牛がそれに突っ込んでぶつかるんだ。
そんで牛と馬が力比べみたいなのをしている間に、上から槍でザクザク突いて牛を弱らせるんだ。
どうもそこで弱らせすぎるとブーイングらしい。

それが終わると、とうとうマタドール登場。





観客達の｢オーレィッ！！｣という掛け声とともに牛をヒラヒラとかわしていくんだ。
全然危なっかしくねぇ・・う～ん・・技術・・なんだろうなぁ・・
なんて思いながら観戦してた。
そして最後はザックリ長い剣を突き刺して牛を殺すんだ。

たんたんと終わってしまったが、まぁ１頭目だし、こんなもんなんだろう。

殺された牛がフィールドの端から端まで牽きづられて行くときが一番アツかった。





一戦終わると売り子がスタンドの前を練り歩く、
手作りドーナツみたいなのを売ってたり
（かなり甘ったるそう、パステルカラーのドーナツだ、想像つくだろ？ｗ）
葉巻とか売ってたりするんだ。
俺はセブンスター喫ってたけど。禁煙ではなかったんでな。

んで、闘牛の最中も含め、終始 係員だかなんだかがスタンドの写真とってんだよ。
喜んでる観客の写真とりたいのかな？とか素直に考えようかと思ったけど、
俺は、多分撮影できるものを持ってる奴がいないかチェックしてるんだろうな　って考えてた。
でもまぁ俺は携帯電話のカメラでとってたわけだけども。

んで、そうこうしてるうちに２頭目が始まったんだ。
出てきた途端牛は暴れている。
お～こりゃあ大変そうだ。なんて観てたけど、
男達が煽ってると、なんだか逆に冷静になってきてんじゃねぇの？って感じだった。
まぁ勢い余ってフィールドと客席の間の通路に牛が突っ込んでたりはしてたけど、
結構通路広いから危なくはない。（スタッフは危ないけどなｗ）

んで上に書いたような手順でまた牛が始末されるわけだ。

う～ん・・・１頭目と同じだったな・・・

３頭目・・・また同じだ・・・



こうなってくると人間、怖いもんでハプニングを期待し出すのよねｗ

しかし、どうやらこの時期のマタドールは不運（？）にも一流らしく、
全然危なくねぇんだよ。（きっと素人にはわからん技術だ。）
ちなみに、いい戦いを見せたマタドールには客席からカウボーイハットが投げられるんだ。

んはぁ～退屈だぁっ！！ｗ
素人にもわからん技術で一流なら、
どうせなら赤いウサギの気ぐるみでも着てやってくれよぉ。
赤い全身タイツとかよぉっ！！

１頭倒すまで、約３０分。（倒し方同じ）
インターバルが１５分。

それが８頭だ。正直３頭でお腹いっぱいだ。





でもメキシコ人は結構楽しんでた。他の見方があるんかなぁ。
やっぱ危なっかしいイメージがあるからねぇ、俺らには。

｢otra vez!! otra vez!!｣

オトラベズ。アンコールのことだ。
俺は退屈だったんで、そこで出てきちゃったよ。
んで開演前に食ったタコス屋で２枚のタコスを食い、ホテルに帰った。

闘牛（４列目）が１６０ペソ、タコスが一枚１２ペソだから
タコスを１３枚食ったほうがいい。　それが俺の感想だ。
もしくは最初から一流の闘牛士の戦いは見ないほうがいい。素人にはわからんから。

んで闘牛場出たのが夜８時くらいかな？
メトロで帰ったんだが、夜のメトロは何やら危険だ。
ホームに下りていく階段は真っ暗だし、
電車の中も蛍光灯が何本も切れてて奥のほうは真っ暗なんだ。
ありゃ～スリいるよきっと。何度も目が合う乗客もいた。
（まぁ俺は外国人だから見られてても不思議じゃないけどな。）


ピラミッドも闘牛も見たことだし、とりあえず日本から考えてた、でかいイベントは こなした。
日本でしてきたホテルの予約は今日までだし、明日はどうすっかなぁ　なんて考えながら眠りについた。


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2/14-① 裏メキシコへの入り口

２月１４日。
日本では何？バレンタインとかいう、愛の日なの？
まぁ知ってたよ。知ってて行ったよメキシコ。

なんつ～の？
愛なんて・・要らねぇじゃん？
それがロックじゃん？








・・・うそです。チョコほしいです。
僕は逃げました。不戦敗を選びました。ｗ
（まぁ帰って来てからバイト先でチョコもらったけど。ほんとです。信じてｗ）




まぁメキシコに居る時はかなりロックだったんで。
バレンタインなんて無意識下に無理矢理落としてました。

そうさ。２月１４日なんて、メキシコじゃ～ただの、
ただの・・・








・・・『愛と友情の日』









ああぁぁぁ・・”友情”まで・・・重てぇ・・ここにはどっちも無ぇっ！！ｗ
まぶしいっ！！目が。目がぁぁぁ・・・・

てなもんですよ。



でもねぇ・・・２月１４日。俺のメキシコはまさしく『愛と友情の日』だったんだ。






日本でホテルを予約したのは２月１３日までだったんだ。
でも俺は、メキシコシティをもっと楽しみたかったんだ。
マリアッチも観てないし、シウダデラ市場にも行ってないしね。
つ～か土産を結構買っちゃってたから、アカプルコへの移動中に盗難とかに遭ったら嫌だったんだ。
それが一番の理由かな。カッコ悪いけど。

ってなことで日本から考えてたアカプルコ行きは却下し、
ホテル『メトロポル』の滞在を帰国日まであと３日延ばすことにしたんだ。

フロントに１泊の値段を聞きに行くと『＄625』と書かれた。（＄マークでもペソね。メキシコでは）
しかし、｢ふ～ん・・｣て顔を俺がしていると、
フロントの男は｢違った、これはオフシーズンの値段じゃない｣と『＄509』と書き直した。

値下がりするとは思ってなかったんだけどなぁ。まぁ得した。
なんて思って｢クレジットカードは使えるかい？｣と聞くと
フロントの男は首を縦に振った。

｢わかった。ありがとう。｣と俺は部屋に戻って、
財布を開けてみると

・・・カードが無ぇ

落とした。（爆）
日本を出る時に、レンタルビデオの会員カードやら、電気屋のカードやら
使わないカードは家に置いてきたんだ。
だから財布のカード入れはスッカスカだったの。
家を出る前に確認したときも、簡単にポロっと抜け落ちたから、危険だとは思ってたけど。

メキシコで
クレジットカードを落としたｗ

やってしまいましたｗ
案ずることなかれ。俺はもともとカードなんて使う気が無かったから、現金で全部持ってきてんだ。
しかしまぁ、裏に漢字で名前が書いてあるとはいえ、無いままではなんとも不安なので、
日本大使館へ行って、カードの使用をとめる方法を聞きに行ったんだ。

レフォルマ通りを歩くこと２時間。
（途中、変なとこ曲がっちゃって１時間ロスｗ）
革命記念塔のそばにある日本大使館についた。

これが革命記念塔。







最高の青空だろ？　今じゃ俺の携帯の待ち受け画面だ。

で。話を聞くと、｢ここには日本人が居ないからあっちの”日本領事館”へ行け。｣
なんて言われてだな。１５分ほど来た道をもどって、
ＪＡＬの建物の３階に位置する日本領事館へ行ったんだ。
そこで、ニコスカードのホームページを印刷してもらってだな・・。

｢セメ　ペルディオ　ミ　タルヘタ　デ　クレディト（クレジットカードを失くしました。）｣
ホテルに戻ってコレクトコールをかけてもらったんだが、電話中で全然繋がらねぇ。

そしたらフロントのセサールはアメリカのVISAカードに電話してくれて、
話すことになったんだ。・・・が、
英語全然しゃべれねぇ～～

５分くらい奮闘していると

VISAの人｢Japanese speaker?｣

だって。居るならさっさと出せよｗ

んで日本人出してもらったんだけど、｢カードの番号が分からないのでは止めるのは難しい｣
とのこと、
｢でもなんとかしてみます。とりあえず、日本の家族に電話して聞くなりなんなりして
　どうにかカードの番号を調べて見てください｣　だって。
まぁ家に電話したって分かるわけも無ぇから、とりあえずその電話は切って、
俺はセサールに｢otra vez, por favor｣（もういっかいよろしく）とニコスカードの東京支店への
コレクトコールをもう一度かけてもらったら、繋がった。
そんで、住所やら生年月日からカードの使用を止めてもらったんだ。

それができたもんだから、アメリカのVISAにもう一度電話をかけてもらって、
カードを止めたことを伝えようと思ったら、さっきと違う日本人が電話にでた。
とりえあず、その人にカードの使用を止めたことと、先ほどの電話の人に
｢もうカードは止めたから調べなくていいよ｣ってことを伝えてくれなんて言ってる途中に
さっきの電話の人からキャッチホンが入ったようで、
｢キャッチホンに出ないといけないので、ちょっと待って｣って言ったら
VISAの人　｢おそらくその方は”エミコ”さんでしょうから、私”セツコ”にもう伝えたとお伝え下さい。｣
なんて言う訳ですよ。　｢はい、わかりました。｣なんて俺はキャッチホンをとって
｢え～と・・エミコさんですか？｣っつったら
｢いえ・・・私は×××です。（もう覚えてねぇ。セツコって名前も、そうだったっけなぁ？って感じだｗ）｣
なんて違う名前が出てきちゃって・・・

<(￣□￣;)>

も～訳がわからねぇ～～～～～～～～っ！！！！ｗ

とりあえず、その人にも１から説明して、ようやく電話が済んだんだ。



疲れた・・ほんと疲れた。なんて思ってたら。
セサールが、｢アメリカへの電話代払え｣　だってｗ
紙に『＄２５』って書いてあるのよ。
へぇ～２５ペソか。やっすいねぇ～　なんて思って２５ペソだしたら。
｢違う。ドルだ。１分４ドルだ。｣だってｗ





そ～だよなぁ・・なんて俺は、帰国の時用に取って置いた１００ドルから２５ドル出したんだ。
ついでに、チップで１０ドルあげてきた。ほんとに世話になったからね。

んで、電話したときに、
｢カードの使用は止めましたので、あとはメキシコの警察で紛失届を出して下さい。｣
なんて、恐ろしいことをサラッと言われてしまったので、
紛失届を出しに行くことになったんだ。

俺は地図を見ながらセサールに
｢Where is a POLICIA COMSALIA ?(警察署はどこですか？)｣
｢I have to order a lost report of my card. OH MY GOD !!!!｣
”オブマイカード”と発音が似てたんで”オーマイガッ”って言ってみた。







・・・・笑おうよ。笑おうよセサール。
クスリとも笑いやがらねぇｗ

その代わり｢お前スペイン語話せないんだろ？｣って、
なんとね、メモに全部書いてくれたんだ。説明文。






（訳）
私はホテル・メトロポルに滞在しています。
クレジットカードを無くしてしまいましたので
紛失届を出したいのです。
もう日本には電話してカードの使用は止めてもらってあります。
私は少ししか英語が話せません。
なにか聞きたいことがあれば
ホテル・メトロポルの１３２号室まで。




ってことらしい。
セサール・・なんていい奴なんだ。
日本から持ってきた焼き鳥の缶詰あげてきたよ。
｢ポジョデハポ～ン｣てな。｢日本の鶏肉だよ。｣って。

んで、セサールが書いてくれたメモを片手に、警察署を探したんだけど（地図に印つけてくれた）、
見つからなくてｗ
んで、警察官が４人くらい集まってたから、話し掛けてみたんだ。



俺　｢ペルドン｣

警官　｢・・・コンニチハ？｣



あ・・・日本語だ。


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2/14-② アミーゴ

警察署を探していた俺は、４人で話している警官に声をかけた。
そのうちの一人が｢コンニチハ｣と言ったんだ。
フェルナンド・ゴンザレス　２８歳。
俺の旅に完璧な成功をもたらしてくれたメヒカーノだ。

メキシコにある天理教の寺で日本語を学んだんだと。
カタコトっつ～か挨拶程度だけど、日本語を知っているんだわ。
日本に興味を持ってくれてるだけで、かなり心強かったよ。

そんで、フェルナンドが警察署に連れてってやるからついて来いっていうんで、
まぁ、警察署までいったんだ。（目の前にあったｗ）
んで話をつけてもらったんだが、どうやらそこでは紛失届が出せないって話になって、
俺は、警察官の格好をしたフェルナンドと二人でメトロに乗って
他の警察署がある駅まで行ったんだ。
メトロに乗るとき、｢電車賃は払わなくていいよ｣って言われたんだけど
俺は払った。律儀な日本人代表として。たかだか２ペソ（約26円）だけどな。

そうそう、フェルナンドは英語が話せるんだ。英検２級くらいの。
俺も英検２級もってるけど、
英語圏の人間と話す機会が多い分、あっちのほうが全然しゃべれてた。

電車の中で、｢日本は今寒いんだよ。｣とか｢年は２５歳だ。｣とか話したり、
｢なんで一人旅してんだ？｣とか｢彼女は居ないのか？｣とか聞かれたり、
まぁそんなこんなで他の警察署がある駅についた。
ぶっとい鉄格子の柵がある警察署。まるで刑務所。

っつ～かここでもダメだったんだけどな。
んで手続きが出せる警察署の場所を聞いているときに、
フェルナンドが｢日本の電話番号と住所を教えてくれ｣なんていうわけだよ。
俺は｢電話すんの・・？｣なんて聞いたら、｢そうだ｣なんて言うんだよ。
おいおい・・勘弁してくれよ。
外人の、それも・・警察から・・しかもスペイン語で電話かかってきたら
親びびるだろ。下手したら理解できなくて俺死んだと思われねぇ？
まぁそんなこと考えてたけど、どうやら仕事とかではなく、
普通に話して見たいらしい。教えたけど、｢絶対話せないよ？｣なんていって、
その場は電話しなかったんだ。
そのうち、かかってくんのかな・・？
まぁ携帯の番号も帰るときに教えたから、かかってくるならそっちだろう。

んでその警察署を出て、
またメトロに乗って、ソナロッサっていう街へ行き、そっから乗合バスに乗った。
（一人旅じゃ初めて乗るには勇気がいる。
こういう機会に乗れてよかったよ。一律3.5ペソだったかな。）

で、警察署の近くで降りて、歩きながら
Fernando ｢おまえ腹は減ってるか？なんか奢ってやるよ。だって俺らはアミーゴだ。｣
なんて言ってくれたわけだよ。感動だねぇ。
で、　Fernando　｢君にとってカードの紛失届を出すことは重要かい？｣　って言われたから、
俺は
｢もうカードの使用は止めてもらったから、そんなに重要じゃないよ。｣
なんて飯くう気 満々だったんだけど、
そしたらフェルナンドは店を指差して
｢あの店の人たちにとっては重要なんだよ。｣
なんて真面目にいいよった。
・・・汚ぇｗ　飯食う流れだろ今の。

俺　｢オ～・・イッツ ジョーク。｣
Fernando　｢ジョーク？ヨーク？｣（スペイン語は”Ｊ”を発音しない）
俺　｢イエス。イッツ　ヨーク・・｣

んで他の警察署について、やっと紛失届を出したんだ。
スペイン語のフォームか英語のフォームのどっちがいいか聞かれて、
とりあえず英語選んどいた。まぁどっちにしてもわからなかったけど。





コレの裏には”宗教”とか書く欄があるんだけど、
｢無いよ｣っていったら、nothingってかけって言われたんで、
そうかいといた。仏教なのかな？まぁ無しでいいだろ。
そのことについて帰りのバスの中で
Fernando ｢おまえ宗教はないのか？カトリックじゃないの？｣　って聞かれたんだが
俺　｢No.I have no religion. ROCK'N'ROLL is my religion.｣　って言ってやったわ。

んで届け出が済んで、ビデオカメラにフェルナンドの紹介を撮らしてもらった。

Fernand ｢コンニチハ。ワタシハ フェルナンド ゴンザレス デス。
　　　　　I'm a police officer.　　～～～～｣

まぁこんなんだ。あとはスペイン語でわからん。勉強しねぇと。

んで、何が食いたいって話になったんだ。
で、｢お前なにが好きだ？｣って聞かれて、俺は｢鶏肉が好きだ。｣と答えた。
逆に｢Fernandoは何が好きなんだ？｣って聞いてみたら

Fernando　｢チョーファン。チョーファン。｣

なんて言うわけですよ。
何だろう・・チョーファンて・・・
俺　｢Japanese food?｣

Fernando　｢イエス。チョーファン。｣　っていうわけですよ。

なんだろう・・・・・









Σ(￣□￣;)!!





チャーハンだっ！！
Japanese food　じゃねぇ・・・ｗ




そんな話をしながら　｢で、何が食いたいんだ？｣って話になって
俺は　｢うまいタコスが食いたい。｣っていったら、行きつけのタコス屋に連れてってくれたんだ。
そんで、何と、白昼堂々。警察官と２人でビール飲みながらタコスくったんだよ。
警察官、ビール飲んでんだぜ。日本じゃありえない現実がメキシコにはあったよ。
んで、
｢サルーってのは日本では『カンパイ』って言うんだよ。
飯を食い始める時、日本では『いただきます』、終わる時は『ごちそうさま』って言うんだよ。｣
なんて話しながら飯をくった。メキシコには飯の挨拶がないみたいだから。

んで飯食い終わって、帰りのメトロに乗った。
メトロには中吊り広告があってね、そこに 『SEXO FERIA』 って書いてあったんだ。
んでフェルナンドがそれをみて言った。

Fernando　｢Are you interested in SEXO FERIA?｣

セクソフェリアに興味はあるか？　　　　だってさ。


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2/14-③ ・・・”セックス祭り”？

・・・SEXO FERIA？　・・・セクソフェリアってなんだ？
"SEXO"ってのは思いっきりセックスのことだろ・・・？
"FERIA"・・・フェリアってなんだ？

俺はメトロのホームに着き、フェルナンドと二人で降りると
辞書で"FERIA"を調べ始めた。


『ＦＥＲＩＡ』（英：fair）


①　市

②　祭り




・・・セックス祭り？

なんて いかがわしい響きだｗ

俺は ”絶対、金で女性を買うところだ・・” と思った。
んで、フェルナンドがそこに｢行ってみたらどうだ？｣なんて言うんだよ。
おいおい・・あんた警官だろ・・？
警官がツーリストに『セックス祭りに行ってみろ』だと？ｗ
なんつ～国だよメキシコｗ


俺はホームで２，３分考えた。
考えた末に聞いてみた。｢どんなとこなんだ？｣
するとフェルナンドは言う。

｢セックスに関するものが沢山おいてあるんだ。｣

・・・想像がつかん。
それを聞いた上でも、やっぱりメインは売春なんだろうな・・なんて思ってた。
悩みつづける俺を見てフェルナンドは
｢とりあえず行ってみたらどうだ？｣　なんて言うんだ。

おいおい・・まじかよ・・・メキシコ来て一番悩んでるよ・・
まぁ・・俺の想像どおりの所でも何もしないってことで、
何もしないってことで。
とりあえず、貴重な体験は出来そうだから、行ってみることにしたんだ。
まぁなんか間違いが起きても誰も俺を咎めないしｗ
なにより 死んでもいい覚悟で来たメキシコですから。
なんでも有りです。


そんなこんなで、駅を出て歩きながら、

フェルナンド　｢中国は今、旧正月だ、旧正月は今日で終わりだよ。｣
俺　｢あ～それ、俺知ってるよ。旧正月で仕事が忙しくないから、長い休みが取れたんだ。｣

なんて話をしてる間も俺は　

｢（やっべ～・・チャイナガール売ってるのかなぁ・・旧正月は今日で終わりだから買っとけってことなのかなぁ・・嫌だなぁ・・）｣

なんて考えてた。
そんな会話をしている中、フェルナンドがトランシーバーで呼ばれた。
どうやら　『上司が怒っている』　んだとｗ
そりゃそうだよな。俺と３，４時間行動してんだからｗ
俺は　｢I'm sorry...Are you all right?｣　なんて言うと、
フェルナンドは　｢...All right...All right.｣　
｢とりあえず一旦警察署に帰らせてくれ｣　だとｗ

んで、警察署につくとフェルナンドが
｢ちょっと待っててくれ。送るから。｣
なんて言ってくれるわけだよ。

車で送ってくれるらしい。


"警察官"　が　"ツーリスト"　の俺を

"仕事中"　に"マイカー"　で
　
"セックス祭り"　に

"送ってくれる"　だと・・？


ほんと なんなんだこの国はｗ

俺が警察署の前でタバコを２，３本喫っていると（携帯灰皿持参）
緑色のマイカーでフェルナンドが迎えに来た。
｢OK. Let's go.｣

車の中ではテクノがかかっていた。お気に入りらしい。
｢日本について何か知っているかい？｣
と、尋ねると彼は　｢何も知らない｣　と答えた。
そう答えた割には、
そのテクノのＣＤのジャケットには
日本の漫画の『シャーマンキング』のイラストが入っていたんだが。

俺　｢It's a character of Japanese comic. Do you know samurai?｣
Fernando　｢Oh. I know. I watched the 『Ultimo samurai』｣
俺　｢Oh yes. トムクルーズ｣
Fernando　｢yes.｣

『ウルティモ・サムライ』を・・『ラスト・サムライ』を見たんだとさ。
でも日本は良く知らないって。

そんな話をしていると、ガソリンスタンドに着いた。
Fernando　｢５０ペソ持ってるかい？｣
どうやら、あったら出してくれってことみたいだ。
俺は警官にチップあげるのはどうなんかなと思ってたから、
それまでチップはあげていなかったし、
タコスも奢ってもらったし、
何より、めちゃくちゃ世話になってたんで、快くＯＫした。
するとフェルナンドは４８ペソ分のガソリンを頼んだ。
そして残りの２ペソはチップにするんだと。
なぁるほどねぇ～

んで
俺　｢日本にはチップの習慣がないから、それが一番俺たちには難しいよ。｣
なんて話をしていると、着きました。"SEXO FERIA"　の会場に。

なんだか、幕張メッセみたいなでっかい会場で、老若男女問わず、大勢の人がいる。
フェルナンド　｢帰りはタクシーか乗合バスを使いな。｣
あ～帰りのこと考えてなかったな。でもまぁこれ以上迷惑かけられないしな。
なんて俺は　｢OK. all right.｣　と言った。
フェルナンドがタクシーの運ちゃんに交渉している。
どうやら１２０ペソ（約1500円）とのこと。
会場は俺のホテルがある街から結構離れていたから、
俺はそれでＯＫした。

んでチケットカウンターに並んでいると、
フェルナンドが
｢あのタクシーは高いから乗るな。俺が迎えに来てやる。何時に出てくる？｣
って言ってくれた。
その時の時間は１７：３０頃。
俺は｢１時間見たら出てくるよ。｣というと
フェルナンドは　｢中は広いし、すげぇ楽しいから１９時まで居たらいい。｣　と言った。
俺は　｢わかった。｣　というとチケットを購入した。

入場料１４０ペソ。（約1800円）
会場の入り口で、｢１９時に会場前で待ち合わせ｣　ということでフェルナンドと別れた。

そして俺は一人"SEXO FERIA"の会場へと入っていった。

入り口で入念なチェックがあり、ビデオカメラは即没収された。


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2/14-④ SEXO FERIA

係員にビデオカメラを預けた俺は、とうとう会場へと足を踏み入れた。

なにやら・・・コミケ？（行ったこと無ぇけど）
多分、そんな感じなんだ。
所々で配られているチラシには、ローションやらコンドームの新製品の広告。
エロス本バックナンバー、エロＤＶＤ、様々なバイブ、匂いつきコンドーム、ローション、見渡す限り、

エロス

・・エロス

・・・そしてエロス。

俺　｢・・・なんだ・・なんなんだここは・・｣　



エロ本とかもタダで配られてるんだ。

・・・イカレてるｗ　メキシコ人・・セクソジャンキーだよｗ

日本の同人誌とかも売ってるんだ。
『HENTAI』『DOJIN』ていうｗ　日本はなんでも最先端だな。
っていうか俺・・
その"HENTAI"とか"DOJIN"の国の代表かよっ！！
も～ど～でもいいよｗ

んで、こりゃすげぇ・・なんてびっくりしながら、会場を回っていると、
なんだかカウンターに人だかりが出来てて、
何やってんのかと思ったら、
どうやらスペイン語でエロい質問をされて、
それに正直に答えると、コンドームが一個もらえるらしい。
くそっ・・俺にもうすこしスペイン語の知識があれば
あそこに並べたのにｗ

何かね。
公開ブルセラとか・・
お金払うと水着の女の子を抱えて写真が撮れるとか・・
裸の女の子に落書きできるとか・・・
そんなんも有るんですよ。
恥ずかしいから何もできなかったけどｗ

とりあえず一つ目の建物を一通り見て回った俺は、次の建物へ移動した。
ライブ会場。ステージがありスポットライトの先ではストリップが繰り広げられている。





あの距離じゃコレが精一杯。
いやいや・・カメラ禁止なのよ？当然ｗ
終始係員がうろついてて、デジカメとか隠し持ってる奴に注意したりしてるんだ。
俺も声かけられたんだが、
俺　｢いやいや、これは携帯電話だよ。｣って。余裕余裕ｗ
いや・・しっかし・・あっけに取られ過ぎて、
勃つものも勃たねぇよｗ

ライブ会場を出て来た俺は、塀に腰掛けタバコを喫った。
東洋人は俺一人って感じだったよ、あの空間。

んで３つめの会場へ足を運ぶと、そこにはまた一つ目の建物のような、
エロエログッズ売り場が広がっていた。
タダのエロ本もそこで配ってたんだ。

すげぇ・・写真とビデオ撮れないのが本当に残念だｗ
残念で仕方が無ぇ。
何か・・・何か買わないとｗ







コンドーム買ってみました～～～　(￣ー+￣)





バニラ、チョコレート、ミント、
バナナ、グレープフレーバーのコンドーム。
１個15ペソだ。バニラは３個入りで40ペソ。




すげぇ・・この空間・・・
このくらいなら恥ずかしくも何とも無ぇ・・ｗ
日本がアリアハン（ドラクエⅢ）に思えるぜ。


あとねぇ・・・あとねぇ・・・
買ったのはねぇ・・




HOW TO SEX　の　本っ！！









240ペソ也ぃぃぃ。

いろいろな体位の説明が、写真つきで載ってるんだ。









何コレ。ドコがどうなってんの？ｗ
北斗神拳より すげぇんじゃねぇの？ｗ
陰(YIN)、陽(YANG)って・・ｗ
どうやらあっちじゃ日本語がクールらしい。

俺はこれでスペイン語とメキシカンセェ～ックス（プロジェクトエェ～ックス風に） を学ぶぜ。







いや～・・楽しかった。
ド級の衝撃だ。ディープインパクトだ。
FERIAってのはどうやら"展示会"って意味だね。
地球の裏側まできて、こんなことが待っていようとは・・ｗ
ツアーじゃなくてほんとに正解だったよ。
ビバ　メヒコッ！！



そしてあっという間に時間は１９時。
充分展示会を堪能した俺は会場を後にして、フェルナンドの迎えを待った。


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